篆刻印材 巴林石
巴林石(ぱりんせき)は、中国北東部・内モンゴル自治区の巴林右旗周辺で採れる印材です。青田石や寿山石に比べると印材としての歴史は浅く、近年になって評価が高まってきた石です。
巴林石の特長
- やわらかく、それでいて欠けにくい
- 石質がやわらかいため刀がよく入りますが、同時に粘りがあるため、彫っている最中に線の端が欠けにくいという特長があります。やわらかい石は一般に欠けやすいものが多く、この両立が巴林石の最大の魅力です。
- 細工に耐える
- 粘りがあることから、細かい彫刻にも耐えます。鈕(つまみ)の彫刻が施された品や、複雑な画数の文字を刻む場合にも適しています。
- 模様の変化が豊か
- 彩凍と呼ばれる色鮮やかなものから、自然形のまま活かしたものまで、一つひとつ表情が異なります。同じ模様は二つとありません。
青田石との違い
どちらも初心者向けとされる石ですが、性格が異なります。
| 巴林石 | 青田石 | |
|---|---|---|
| 刀あたり | 粘りがあり、しっとり入る | 素直で、さくさく入る |
| 欠けにくさ | 欠けにくい | やや欠けやすい |
| 見た目 | 色・模様の変化が大きい | 比較的均質 |
| 向いている用途 | 作品用・細工物・模様を楽しむ | 練習用・数を彫る |
たくさん彫って練習したい方には青田石を、一つの印を丁寧に仕上げたい方には巴林石をおすすめします。
サイズの選び方
- 1cm角前後|絵手紙、はがき、短冊、仮名作品、蔵書印
- 1.5cm〜2.5cm角|半紙、色紙、半切の落款印(最も使用頻度が高いサイズ)
- 3cm角以上|大作、額装作品、関防印