篆刻 遊印
遊印(ゆういん)は、姓名や雅号を刻む落款印とは別に、作品の趣を添えるために押す印です。刻む言葉は自由で、好きな詩句、座右の銘、季節の言葉などが用いられます。名前を刻む印と違い、作り手の心持ちがそのまま表れる印です。
遊印・関防印・引首印の違い
いずれも作品に押す印ですが、押す位置と役割が異なります。
| 種類 | 押す位置 | 役割 | 形 |
|---|---|---|---|
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関防印(かんぼういん) =引首印(いんしゅいん) |
作品の右上、書き出しの脇 | 作品の始まりを示し、全体を引き締める | 縦長の長方形が主 |
| 遊印 | 作品の余白の任意の位置 | 構図の余白を埋め、変化をつける | 自由。自然形・円形・変形など |
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落款印 (姓名印・雅号印) |
署名の下 | 作者を示す | 正方形が基本 |
関防印と引首印は、実際にはほぼ同じものを指す言葉として使われています。
どこに押すか
遊印は「押さなければならない」ものではありません。作品を見て、余白が寂しいと感じたとき、あるいは視線の流れに一点欲しいと感じたときに押します。
基本の考え方は、落款印と対角線を意識することです。署名と落款印が左下にあるなら、遊印は右上や右下に置くと全体が安定します。押しすぎると作品がうるさくなるため、一作品に一つが原則です。
関防印は位置が決まっています。作品の書き出し(右上)の脇、天地の余白を少し空けた位置に、縦向きに押します。
印材の選び方
- 関防印用|縦長の印材を選びます。横幅に対して高さが2〜3倍あるものが一般的です
- 遊印用|形は自由です。自然形の石をそのまま活かすと、規格品にはない味が出ます
- サイズ|落款印と同じか、やや小さめにすると全体がまとまります。落款印より大きい遊印は作品を圧迫します
刻む言葉
決まりはありませんが、次のようなものがよく用いられます。
- 季節や自然を表す言葉(如月、清風、松風 など)
- 座右の銘、心境を表す語
- 雅号にちなんだ言葉
- 吉語(長楽、大吉 など)
二文字から四文字程度が彫りやすく、印としてもまとまります。