印刀の使い方

持ち方

鉛筆を持つように、刃の近くを親指・人差し指・中指で支えます。刃は石に対して斜め45度前後で当てるのが基本です。反対の手で印材をしっかり固定するか、印床(いんしょう)に挟んで作業してください。手で持ったまま彫ると、刃が滑ったときに指を切ります。

刻し方の基本

刻し方には大きく二つあります。刃を前方に押し出す押し刻(衝刀法)と、手前に引く切り刻(切刀法)です。押し刻は線が伸びやかになり、切り刻は線の表情が豊かになります。まずは押し刻から練習することをおすすめします。

いずれの場合も、一度で深く彫ろうとせず、浅く数回に分けて彫り進めるのが失敗しないこつです。

彫る順序

  1. 印面を耐水ペーパーで研磨し、完全な平面を作る
  2. 印稿(下書き)を反転させて石に写す
  3. ニードル刀でガイドラインを刻む
  4. 印刀で刻す
  5. 試し押しをして、修正が必要な箇所を確認する
  6. 補刀・削り刀で仕上げる

お手入れ

  • 使用後は石粉を拭き取る|刃に付着した粉は錆の原因になります。乾いた布で拭き取ってください
  • 刃先を保護する|当店の印刀には専用の保護ケースが付属します。他の刃物とぶつけると刃が欠けます
  • 研ぎ|白鋼は砥石で研ぎ直せます。タングステン鋼は硬度が高いため、家庭用の砥石では研ぎにくく、専用のダイヤモンド砥石が必要です
  • 湿気を避ける|革巻きの柄は湿気で傷みます。乾燥した場所で保管してください

よくあるご質問

最初の一本はどれを選べばよいですか?

5mm〜6mm幅の角型・両刃をおすすめします。半紙や色紙に押す一般的な落款印(1.5〜2.5cm角)に最も適した幅で、当店でも最も人気があります。

何本そろえればよいですか?

まずは1本で十分です。慣れてきて細部が気になり始めたら、2mm前後の細い刀を買い足してください。多くの方は2〜3本で作品制作をされています。

タングステン鋼と白鋼はどちらがよいですか?

研ぎの手間を減らしたい方、硬い石を彫る方にはタングステン鋼を。自分で刃を仕立てながら長く使いたい方には白鋼をおすすめします。切れ味そのものはどちらも十分です。

双曲面とはどういうものですか?

刃の両面に曲面をつけた形状です。石への刃の入りが滑らかで、刃先が石中で暴れにくいため、長い線を安定して引けます。ある程度彫り慣れた方が、線質にこだわり始めたときに違いを実感しやすい形状です。

刃が欠けてしまいました。

白鋼であれば砥石で研ぎ直せます。欠けが大きい場合は、刃の角度から作り直す必要があります。石に砂釘(硬い不純物)が含まれていた場合に欠けやすいため、砂釘の少ない印材を選ぶことも予防になります。

プラモデルや模型に使えますか?

お使いいただけます。0.2mmのタングステン鋼刀は、プラモデルのスジボリ用としてもご利用いただいています。

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