篆刻道具 印刀(篆刻刀)
印刀(いんとう)は、印材に文字を刻むための刃物です。篆刻刀とも呼ばれます。アジア篆芸では、タングステン鋼・白鋼を用いた職人手作りの印刀を、刃幅1mmから取り揃えています。
印刀は「刃幅」で選びます
印刀選びで最も大切なのは、刃の幅です。そしてこの刃幅は、手の大きさや彫る文字の好みではなく、彫りたい印材のサイズに合わせて決めるのが正解です。
石の面積に対して刃が太すぎると、隣の線まで削ってしまいます。逆に細すぎると、広い面を彫るのに時間がかかり、刃に無理な力がかかって欠けやすくなります。
| 刃幅 | 適した印材サイズ | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1mm〜3mm | 0.8cm角未満 〜 1.2cm角 | 極小印・細密彫刻。絵手紙、はがき、短冊、扇面、仮名書道、蔵書印 |
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4mm〜6mm ★一番人気 |
1.5cm角 〜 2.5cm角 | 定番の中型印。半紙、色紙、半切、一般的な水墨画・書道の落款印 |
| 7mm以上 | 3cm角以上 | 大型印・関防印。大作、額装作品 |
最初の一本を選ぶなら、5mm〜6mmです。書道教室で使う半紙や、一般的な掛け軸(半切)に押す落款印は1.5〜2.5cm角が中心で、この幅が最もバランスよく彫れます。慣れてきたら、細部用に2mm前後を買い足すのが一般的な進め方です。
より詳しい選び方は、印刀コラムの完全ガイドで解説しています。
刃の素材で選ぶ
- タングステン鋼
- ダイヤモンドに次ぐ硬度を持つ素材です。硬い印材にも刃が負けず、耐摩耗性に優れるため切れ味が長持ちします。青田石より硬い石や、砂釘を含む可能性のある石を彫る方、研ぎの頻度を減らしたい方に向いています。
- 白鋼
- 粘りがあり、研ぎ直しがしやすい伝統的な鋼材です。自分で刃を仕立てながら長く使いたい方、刀あたりの感触を重視する方に向いています。
刃の形状で選ぶ
- 角型・両刃(15度)
- 標準的な形状です。朱文・白文どちらにも対応し、押し刻・切り刻いずれの刀法でも扱えます。最初の一本はこの形状をお選びください。
- 双曲面
- 刃の両面に曲面をつけた形状です。石への入りが滑らかで、刃先が石の中で暴れにくいのが特長です。長い直線を一息に引きたいとき、線の伸びやかさを出したいときに違いが出ます。
本体以外に必要な道具
印を彫る工程は、刻むだけでは完結しません。当店では以下の補助刀も取り扱っています。
- ニードル刀(篆刻針)|石の表面に極細のガイドラインを刻みます。墨で書いた下書きは彫っている途中で消えてしまいますが、針で薄く傷をつけておけば最後まで残ります
- 削り刀|印面の凹凸をならし、平面を出します。印面が平らでないと、押したときに朱が乗らない箇所ができます