印譜帳の使い方と記録のこつ

印譜帳は、ただ印を押すだけでなく、記録を書き添えることで後々の貴重な資料になります。

1. 本番の前に必ず試し押しを

印泥の付き具合は、その日の気温と印泥の状態で変わります。印譜のページはやり直しがきかないため、別紙か最終ページで一度試してから本番へ移ってください。

2. ページの下に印褥を敷く

硬い机の上で直接押すと、朱が均一に乗りません。ページの下に印褥(いんじょく)、または書道用の下敷きなど、わずかに沈み込む適度な弾力のあるものを敷いてください。

3. 押した直後にすぐ閉じない

印泥は油分を含むため乾きが遅く、押してすぐ閉じると向かいのページに転写(裏移り)します。数分置くか、間にグラシン紙などの薄紙を挟んでください。

4. 記録を書き添える

印影の脇に、印文・制作年月日・使った印材・印泥の銘柄などを小筆やペンで書き添えてください。涇県製の印箋紙は表面が滑らかで、印稿(下書き)や文字の書き込みにも適しています。

お手入れと保管

  • 紙は湿気で波打ちます。乾燥した場所に平置きし、複数冊ある場合は重ねて保管してください。
  • 直射日光は表紙の退色の原因になります。暗所で保管してください。

よくあるご質問

御朱印帳として使えますか?

おすすめしません。本品は自分で彫った印を押して記録するための印箋紙で、サイズも120×90mmと小さく、神社仏閣での墨書きには向いていません。用途がまったく違う道具とお考えください。

印泥が裏抜けしませんか?

適度な厚みがあり、通常の押印であれば裏抜けはしにくい紙です。ただし、印泥を付けすぎた場合や、熟成の不十分な廉価な印泥を使った場合は油分が裏に回ることがあります。ご心配な場合は片面のみお使いください。

印稿(下書き)用の紙としても使えますか?

使えます。表面が滑らかで小筆の走りがよく、墨の濃淡も出やすい紙です。印稿を書いてから彫り、完成した印を同じページに押していくと、制作記録としてまとまりが良くなります。

「印譜帳」と「印箋」はどう違いますか?

印箋(いんせん)は印影を押すための紙そのものを指し、印譜帳(いんぷちょう)はその紙を本のようにまとめたものを指します。本品は涇県製の印箋紙を印譜帳の形にしたものです。

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