篆刻用品 印泥
印泥(いんでい)は、篆刻や落款印を押すために使う、泥状の朱肉です。艾(もぐさ)などの繊維質と、朱砂をはじめとする鉱物の顔料を、精製した油で長時間かけて練り合わせて作られます。アジア篆芸では、書画作品にふさわしい発色と粘りを持つ本格印泥を13種類お選びいただけます。
印泥と朱肉(練朱肉)の違い
事務用の朱肉やスタンプ台が、スポンジや布に染料を含ませたものであるのに対し、印泥は顔料そのものを油で練り上げた、粘りのある泥状の素材です。この違いが、押したときの印影に大きく表れます。
印泥で押した印影は、朱の粒子が紙の上にわずかに盛り上がって残り、時間が経っても色があせにくく、油がにじみ広がりません。書画作品や表装するもの、長く残したい落款には印泥をお使いください。逆に、日常の事務書類には速乾性のある朱肉のほうが適しています。
最高峰の印泥「耘萍」について
数ある印泥メーカーの中でも別格とされるのが、耘萍(うんぴょう)です。上海・呉氏潜泉印泥の継承者であり、自らも工場長を務めた李耘萍(り・うんぴょう)女史が独立して立ち上げた「上海耘萍工藝品有限公司」が、一つひとつ丹念に練り上げています。繊細で透明感のある発色と、器そのものの美しさから、日本の篆刻家・書道家の間でも古くから名前が知られてきたブランドです。
アジア篆芸では、この耘萍印泥をお取り扱いしています。数量に限りがございますため、気になる方はお早めにご検討ください。
色の選び方
印泥選びで最初に迷うのが色です。作品の雰囲気と、印を押す紙によって、ふさわしい色は変わります。
| 系統 | 色 | 向いている作品 |
|---|---|---|
| 伝統的な朱系 | 朱砂 | 漢字作品・水墨画。深く落ち着いた赤で、作品を引き締めます |
| 朱膘 | 仮名作品・淡い墨の作品。やや黄みを帯びた明るい朱で、繊細な線と調和します | |
| 貢品鏡面朱砂 | 表装する作品・贈答用。最上級の発色で、鏡面のような艶が出ます | |
| 最高峰ブランド 耘萍 |
耘萍 黄磦朱砂 | 李耘萍女史監製。黄みがかった透明感のある朱色で、細字(小篆)・仮名書・繊細な白文の作品に映える発色。贈答用・記念の一顆にもおすすめです |
| 堆朱・特殊朱 | 堆朱 | 力強い漢字作品。濃厚な赤で存在感があります |
| 石泉黄磦朱砂 | 本格志向の作品用 | |
| カラー印泥 | シルバー・ゴールド | 濃色紙・色紙・年賀状。黒や紺の紙にも鮮明に発色します |
| 黒 | 蔵書印・モノトーンの作品。墨と同系でまとめたいとき | |
| 青・緑 | 遊印・引首印。朱の落款と組み合わせて変化をつけたいとき | |
| 紫 | 雅な雰囲気の作品・仮名書 | |
| 黄 | 濃色の紙・装飾的な用途 | |
| 白 | 黒紙・濃色紙への押印 |
初めての一つを選ぶなら、まずは朱砂系をおすすめします。漢字にも仮名にも使え、どのような作品にも収まりがよいためです。仮名や淡い作品を多く書かれる方は朱膘を、作品を表装したり人に贈ったりする機会が多い方は貢品鏡面朱砂をお選びください。作品を格上げしたい特別な一顆には、耘萍をお選びいただくお客様が増えています。
なお、同じ「朱砂」という名前でも、メーカーによって色味は異なります。当店では実際に押した印影の写真を各商品ページに掲載していますので、そちらでご確認ください。
サイズの選び方
印泥は「両(りょう)」という単位で量を表します。当店の主力は一両装(30グラム)で、これは個人が作品制作に使う量として最も標準的なサイズです。
- 一両装(30g)|3cm角程度までの印に対応。一般的な落款印であれば数年は使えます
- 半両装(15g)|色を試したいとき、複数の色を使い分けたいときに
印泥は容器の中で印面を回して朱をつけるため、押したい印より容器の内径が大きいことが条件です。3cm角を超える大きな印をお使いの場合は、より大きな容器のものが必要になります。